ファンダメンタルズ分析について


ファンダメンタルズ分析とは

ファンダメンタル移動平均線やボリンジャーバンド、ストキャスティクスなどのテクニカル分析を用いると、売買タイミングを計ることができます。

しかし、いくらテクニカル分析がうまくても、相場全体の流れを読み間違えてしまっていては、小幅な利益で終わってしまうことがあります。

なぜなら、通貨の政策金利が上がればその通貨は上昇しやすくなりますし、逆に下がってしまうと売りが継続しやすくなるので、テクニカルだけではうまくいかない場面もあるからです。

特に、アメリカの政策金利の動向は注目度が高く、ドルの利回りは世界経済全体に影響を及ぼすため、テクニカル分析以上に重要な事項となっています。

このように、各国の政策金利や雇用、生産、物価など経済活動の状況を示す基礎的な要因を分析することをファンダメンタルズ分析と言います。

ファンタメンタルズとは「経済の基礎的事項」という意味で、どの国も「経済指標」と呼ばれる経済活動を数値化したものを定期的に発表しており、この経済指標を分析することによって、各通貨の大まかな流れを知ることができます。

為替市場において、ファンダメンタルズは中・長期トレンドの方向性を決める重要な役割を担っています。

テクニカル分析は、その時々でいつ売買をしたらよいかという売買判断を強化する役割を果たしますが、ファンダメンタルズは相場の方向性を決めると言えるでしょう。

ファンダメンタルズ分析をしてみよう

ファンダメンタルズ分析ところでこの経済指標ですが、毎日数多く発表されているので、それらをすべて把握するのは非常に大変です。

しかし、強い動きやトレンドを発生させやすいような重要な経済指標はある程度決まっているため、それらの経済指標を中心にチェックしていくと良いでしょう。

まず、最も重要な経済指標は各国の政策金利です。

利上げが行われればその通貨は上昇、利下げされれば下降トレンドになりやすいほか、うまくいかなかった場合は中央銀行が為替介入という形で強制的に誘導することもあるからです。

次に、毎月第1週金曜日の夜に発表される米雇用統計、続いて米GDPや米小売売上高となっており、世界の基軸通貨である「ドル」を中心に重要な経済指標をチェックしていくことが、トレードに役立ちます。

そして、経済指標は結果が良いのか悪いのかよりも、予想値と比べてどうなのかという点が注目されます。

政策金利に関しては、大きな政策変更となるため事前に中央銀行からヒントとなる声明が出されることが多いため予想しやすいのですが、通常の経済指標となると前回までの流れを辿っていくしかないため予想は難しいです。

しかし、米雇用統計であれば、発表される2日前の水曜日に米ADP社が発表する雇用統計がその先行指標として利用できるため、ある程度予測が可能です。

つまり、水曜日に発表されるADP雇用統計の数値が良ければ週末の米雇用統計(米非農業部門雇用者数)も良い可能性が高く、ADP雇用統計が悪ければ米雇用統計もあまり期待できないことになります。

もちろん、ADP雇用統計と米雇用統計の結果が連動しないこともあるのですが、ADP雇用統計が前回値からやや離れた結果となった場合は米雇用統計も同じ方向へ連動する可能性が高いです。

もし、ADP雇用統計が予想値付近だった場合は、参考程度にとどめておいた方が良いでしょう。

他にも、米雇用時計は毎月第1営業日に発表される米ISM製造業景況指数の結果とも連動しやすいため、合わせて確認するとより効果的です。


最低限チェックすべき注目経済指標


順位 経済指標 説明
1位 政策金利 通常は一定なのですが、一度動くと続けて調整していく傾向があるため、継続した流れができやすいのが特徴です。
米FOMC政策金利は、年8回、約6週間ごとに発表、欧・英政策金利は毎月上旬、豪政策金利は毎月第1火曜日に発表されます。
2位 雇用統計 特に米国の雇用統計が重要で、毎月第1金曜日に米労働省が前月分を発表しています。
3位 GDP速報 GDPが良好であれば株高となって金利は上昇、悪化していれば株安で金利は低下します。
米GDP速報は、1、4、7、10月下旬に4半期分が発表されます。
4位 小売売上高 季節的な変動があるため数カ月単位での流れを確認した方が良いのですが、景気の良し悪しを一番実感できる指標です。
米小売売上高は、毎月第2週に発表されます。
5位 CPI・PPI 消費者物価指数(CPI)と製造業物価指数(PPI)で、インフレ傾向であれば金利上昇、デフレ傾向であれば金利低下となります。
米CPI・PPIは毎月15日前後、欧CPIは毎月上旬、英CPIは毎月中旬、豪CPIは1、4、7、10月下旬に発表されます。


各国の経済指標は、FX業者などが前回の数値と予測、結果を提供しているので、定期的にチェックするとよいでしょう。

重要な経済指標

重要な経済指標ここでは、ジャンル別に重要な米国の経済指標を紹介していきます。(時間は夏時間、冬時間は1時間遅れて発表)

下記は米国の経済指標ですが、政策金利や雇用統計、消費者物価指数などは米国以外でも発表されているので、ユーロやポンド、豪ドルなどもトレードしているのであれば、欧州や英国、オセアニアの経済指標にも注目してみてください。


政策金利 FOMC

重要度:★★★★★
発表時期:毎月15日前後 4:15

FRB(米国連邦準備制度理事会)がFOMC(連邦公開市場委員会)で決定するフェデラルファンド(FF金利)の誘導目標金利を発表します。

FOMCは突然発表されるのではなく、FOMCの2週間前の水曜日に「ベージュブック」が公開されるところから始まります。

ベージュブックとは、表紙の色がベージュであることから名づけられたのですが、その内容は米国にある12の地区連銀による地区連銀経済概況報告で、FOMCでの議論のたたき台となります。

そして、FOMC後3週間経つとFOMC議事録が公開されます。

内容は、FOMCでどのような議論がなされたかを公表するものとなっているのですが、FOMC時の声明文で合う程度予想ができます。

ただ、注目度が高いため、FOMC議事録公開時には意外と値動きが大きくなることもあります

雇用統計(雇用統計、失業率、雇用者数)

重要度:★★★★★
発表時期:毎月第1金曜日 21:30

失業率、非農業部門雇用者数、時間当たりの賃金、週間労働時間が同時に発表されます。

中でも非農業部門雇用者数の注目度は高く、金融政策や経済政策にも影響を与えるため、むしろ失業率よりも注目されます。

【非農業部門雇用者数】
事業所調査によって、非農業部門に属する事業所の給与支払い帳簿を基に就業者数を集計します。

事業所ごとに雇用者数を調査するため、自己申告の失業率よりも客観的で判断材料になりやすいです。

【失業率】

「失業者÷労働力人口×100」で定義されます。

この失業率は、本人の求職中だという自己申告によるため、本人の判断という主観的な要素が入ってしまっています。

そのため、実際には失業率よりも景気に敏感に反応する非農業部門雇用者数の方が注目されます。

物価指数 消費者物価指数(CPI)

重要度:★★★★
発表時期:毎月15日前後 21:30

Consumer Price Indexの略で、インフレ系最重要指標のうちの1つです。

消費者が購入する小売り及びサービス価格等を総合した物価の変動を測定した調査結果で、商品の小売価格の変動を表しています。

食品とエネルギーは天候等の条件によって大きく変わるため、これら季節要因を受けやすいものを除いた「コア指数」が特に重要視されます。

その他、物価指数としては生産者物価指数(PPI)があります。

製造業指数 ISM製造業景況指数

重要度:★★★★
発表時期:毎月第1営業日 23:00

ISM(Institute for Supply Management:供給管理公社)が発表する、製造業の購買担当者へのアンケート結果です。

約350社の製造業購買担当役員に、1ヶ月前と比較して「良い」・「同じ」・「悪い」の三者択一の回答を元に、季節調整を加えた景気動向指数を作成します。

50%が景気動向を測る分岐点で、50%を上回ると景気拡大、下回ると景気後退と判断します。1931年以来の伝統的な経済指標であると同時に、主要経済指標の中で最も早く発表されるので、注目度も高いです。

その他の製造業指数には、フィラデルフィア連銀指数、鉱工業生産指数、耐久材受注があります。

景気動向 GDP(速報値)

重要度:★★★★
発表時期:1・4・7・10月
21~30日 22:30

四半期毎に集計される、アメリカ国内で生産された製品やサービスなどの付加価値の総額です。

個人消費、設備投資、住宅投資、在庫投資、政府支出、純輸出で構成され、アメリカ経済全体の経済状況を測る重要な指標です。

期間内の経済活動水準を市場価格で評価した名目GDPと、名目GDPから物価の変動の影響を除いた実質GDPがあります。

速報値発表の翌月に改定値、翌々月に確報値の順で発表されますが、市場にもっとも影響を与えるのは速報値です。

経済活動水準を市場価格で評価した名目G D P と、物価変動の影響を取り除いた実質G D P があって、実質GDPの方が経済の実状を知る上で重視されています。

小売売上高

重要度:★★★★
発表時期:毎月第2週 21:30

個人消費はアメリカのGDPの約7割を占めているので、個人消費全体のトレンドを把握する上で最も重要な指標です。

百貨店などの小売業の売上に関する指標で、個人消費の動向が分かります。自動車販売を除いた部分が重要視されています。

その他の景気動向指数としては、個人所得・個人支出、CB消費者信頼感指数、ミシガン大学消費者信頼感指数、貿易収支があります。

住宅関連指数 中古住宅販売件数

重要度:★★★
発表時期:毎月25日前後 23:00

所有権の移転が完了した中古住宅の販売件数で、契約者への所有権移転完了ベースで集計されています。

アメリカは日本と異なり、ライフステージに合わせて中古住宅を住み替えていくというスタイルが定着しているので、新規住宅販売件数よりも注目度が高いです。

住宅が買われると、建設資材や家具、家電製品など居住に関わるものへの需要の波及効果が大きく、景気全体への影響も非常に大きいのが特徴です。

中古住宅販売件数は、新築住宅販売件数の数倍あるため注目度が高く、景気動向と関連性が深く先行性が高いとされています。

ただし、季節や天候の影響を受けやすく、予想と違った結果が出易い傾向にあります。サプライズが発生して、マーケットが大きく動くこともあります。

その他の住宅関連指数としては、中古住宅販売保留、住宅着工件数、新築住宅販売、建設許可件数があります。

主な要人発言もチェック

主な要人発言為替市場に大きな影響を及ぼす政策金利の変更ですが、ある日突然訪れるというものではなく、中央銀行総裁や財務大臣などから必ずそれを示唆する発言が出ています

なんの前触れもなく政策金利を変更することは、まずないと言ってよいでしょう。

要人発言とは、その国の金融政策を決定する人物や経済政策を担っている大臣たちの発言を指します。

多くの要人がいる中で、重要度の高い要人発言はアメリカの中央銀行にあたるFRBの議長や各国の中央銀行総裁の発言です。

金融政策は各国で独自に決定されることがほとんどですが、その告知や発表を中央銀行総裁が行うため、主要国の中央銀行総裁の発言は押さえておく必要があるのです。

また、世界情勢が大きく動いた時やサプライズの後押しとして、世界的に知名度の高い有名な投資家の発言が意識されることもあります。

要人発言とその影響


人物 発言場所や影響
FRB議長
(ジャネット・イエレン)
米財務長官、各地区連銀総裁
[米国] FOMC、議会証言など。
米国だけでなく、世界経済への影響も強い。
ECB総裁
(マリオ・ドラギ)
ECB理事
[欧州] ECB理事会、講演など。
ユーロ圏を中心に、インフレや金融政策などに関する発言が出る。
BOE総裁
(マーク・カーニー)
MCP委員
[英国] MPC、議会証言など。
英国の景気や金融政策についての言及が多い。
日銀総裁(黒田東彦)
副総裁、財務大臣
[日本] 金融政策決定会合、記者会見など。
他国に比べると影響力は小さいが、自国通貨に関連するのでしっかり押さえておきたい。
RBA総裁
(グレン・スティーヴンス)
[豪] 豪ドルの政策金利に関しての発言が注目される。
RBNZ総裁
(グレーム・ウィーラー)
[NZ] 政策金利や物価についての発言がされる。
国際会議 [サミット] G7(財務大臣・中央銀行総裁会議)、G20、IMFCなど、終了後の共同声明に注目。
著名投資家
(ウォーレン・バフェット、ジム・ロジャース・ジョージ・ソロス、カール・アイカーンなど)
[さまざま] 世界的に有名な投資家の発言は、世界情勢が大きく動いた時やサプライズの後押しになりやすい。

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